細胞

Cell
難易度

生命をつくる、小さな「ひとつの世界」

Key Points

細胞は、私たちの体をつくる生命の基本単位です。人の体は数多くの細胞からできており、筋肉の細胞、神経の細胞、免疫を担う細胞など、役割に応じてさまざまな形や働きを持っています。細胞の外側は細胞膜で囲まれています。その内側には、DNAを収める核や、エネルギーをつくるミトコンドリアなどがあります。

ウイルスは細胞とは違い、自分だけでは増えることができません。細胞の中へ入り、細胞が持つ仕組みを利用することで増殖します。

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Closer Look

私たちの体は、細胞の集まり

皮膚、筋肉、肺、肝臓、脳、血液。見た目も働きも大きく異なりますが、私たちの体を細かく見ていくと、その基本となっているのが細胞です。多くのヒトの細胞は数十マイクロメートルほどの大きさで、肉眼では一つひとつを見ることができません。ただし、細胞は単なる小さな袋ではありません。内部にはさまざまな構造があり、それぞれが役割を分担しながら生命活動を続けています。

細胞の外と中を分ける「細胞膜」

細胞のいちばん外側を囲んでいるのが細胞膜です。細胞膜は主に脂質とタンパク質からできており、細胞の内側と外側を分けています。しかし、完全に閉ざされた壁ではありません。必要な物質を取り込み、不要な物質を外へ出したり、外から届いた情報を受け取ったりする「出入口」や「通信装置」のような役割も持っています。細胞膜にある受容体も、その一つです。麻疹ウイルスは、この受容体を利用して細胞に結合します。

細胞の中には何がある?

細胞膜の内側には細胞質が広がっています。ヒトのような動物の細胞には、その中にさまざまな細胞小器官(オルガネラ)があります。

代表的なものには、

  • 核:DNAを収め、遺伝情報を管理する
  • ミトコンドリア:細胞が使うエネルギーをつくる
  • 小胞体:タンパク質や脂質の合成などに関わる
  • ゴルジ体:タンパク質などを加工し、行き先ごとに送り出す
  • リボソーム:mRNAの情報を読み取り、タンパク質をつくる

などがあります。

細胞の中では、こうした構造がばらばらに働いているのではなく、互いに連携しています。

すべての細胞に核があるわけではない

「細胞」といっても、すべてが同じ構造ではありません。ヒト、動物、植物などをつくる細胞は真核細胞と呼ばれ、基本的にDNAを核の中に収めています。一方、細菌は原核生物で、核を持たず、DNAは細胞内に存在しています。また、ヒトの赤血球のように、成熟する過程で核を失う細胞もあります。つまり、「細胞=必ず核を持つ」というわけではありません。

細胞は、自分で活動できる

細胞は、栄養を取り込み、エネルギーをつくり、必要なタンパク質を合成し、多くの場合は分裂して新しい細胞を生み出すことができます。この点がウイルスとの大きな違いです。ウイルスには、タンパク質をつくるリボソームなど、細胞が持つ仕組みの多くがありません。そのためウイルスは、感染した細胞の中にある仕組みを利用して、自分のRNAやDNAを複製し、新しいウイルスをつくります。麻疹ウイルスの場合も、細胞に侵入したあと、細胞質の中でウイルスRNAをもとにRNAやタンパク質をつくり、新しいウイルス粒子を組み立てます。細胞を知ることは、ウイルスがどのように感染し、どのように増えるのかを知る第一歩でもあります。

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このサイトでは

このサイトで「細胞」という場合、主に麻疹ウイルスが感染するヒトや動物の細胞を指します。麻疹ウイルスは、細胞膜にある特定の受容体に結合して細胞へ侵入します。その後、細胞質の中でウイルスRNAを読み取り、新しいRNAやウイルスタンパク質をつくります。

また、腫瘍溶解性ウイルスの研究では、正常な細胞とがん細胞の違いを利用しながら、がん細胞を選択的に攻撃する方法が研究されています。

研究とのつながり

麻疹ウイルスを使った研究では、「どの細胞に感染するのか」と「感染した細胞の中で何が起こるのか」が重要です。麻疹ウイルスは、細胞表面の受容体を認識して感染を始めます。細胞内へ侵入すると、ウイルス自身が持つRNA合成装置と、宿主細胞が持つタンパク質合成などの仕組みを組み合わせて増殖します。

腫瘍溶解性麻疹ウイルスの研究では、こうしたウイルスと細胞の相互作用を理解し、正常細胞への影響を抑えながら、がん細胞で効果的に働くウイルスをつくることが重要になります。